消費税増税とアベノミックスのこれから

中小企業診断士 市川 南

 政府は、この10月1日に来年4月からの消費税率を3%引き上げて8%とすること、同時に、消費増税に耐えうる経済環境を整えるためとして、①企業の投資を促す企業減税(7300億円)②賃上促進税制の拡充(1600億円)、③住宅ローン減税(1100億円)を発表しました。企業減税は2兆円規模となります。

また、10月1日の臨時閣議で、復興特別法人税の1年前倒し(9000億円)を被災地の十分な理解、経済成長を賃金上昇につなげる方策と見通しの確認などの前提条件付きながら閣議決定しました。同時に、低所得者への現金給付などを含めた経済対策を5兆円規模とする政府方針が確認されました。

今後、経済対策の内容などはこれからの与野党協議に委ねられます。長い厳しいデフレを経験し、企業が投資や賃上げに繋げることは容易ではなく、党利党略に溺れない政治家の見識が求められるところです。

ここで思い出していただきたいのは、アベノミックスの3本の矢、大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略です。目指すは、15年続いた長期デフレ、1000兆円の天文学的規模の国の借金の中での財政政策、そして冷え切った民間投資という、ミゼラブルな経済状態から脱して、3%の経済成長を目指すことでした。 消費税引き上げは、法律で明記されていますが、世論はデフレ脱却が漸く見え始めた環境で、「腰折れは何としても回避」と「マーケットから信頼を受ける財政規律が大事」で沸騰しました。でも、アベノミックスは、参院選挙結果からみても幅広い国民の合意と言えます。長期政権必至の政府与党にとっても「腰折れ」は絶対に許されません。

問題は、如何にして消費税増税のハンディーを打消し、持続的な成長に持って行けるかです。一連の施策で透けて見える政府の狙いは、経済対策を通じて何とか、企業の設備投資の拡大や賃金の引き上げに繋げ、本格的なデフレ脱却を目指すことと見受けられます。まずは、消費税で破綻する財政の再建の道筋をつける⇒その上で腰折れは断固防ぐ⇒企業の元気、家計の元気を取り戻すことで、至難のトリレンマからの脱却を図る・・・苦肉のシナリオと見ます。

「第4の矢」という人もいますが、天の配剤たること間違いなしの東京オリンピック効果にうまくバトンタッチする、激流の中の舵取りが期待されます。

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