商品やサービスの価値を伝える 

中小企業診断士 佐藤真紀

 先日、某食品スーパーのバイヤーさんにインタビューした時のことです。

数年前から、彼はとある県のいちご農家さんと共同で新種のいちごの研究をしていました。彼が働く食品スーパーの店頭でお客様の声を吸い上げ、その結果を農家さんにフィードバックする。そうして良い商品が生まれ、仕入れて店頭で販売するという連携をしているとのことでした。

「いちごの場合、ブランド力のない県や品種だと、どうやったらブランド力をつられるかと言えば、“美味しい”とか“もちが良い”とかがキーポイント。以前、この県のいちごはあまり売れなかったが、品種が変わって良くなった。何が良かったかと言うと、フィードバック。もっと消費者目線で考えることが肝心だ。周りからいくら良い良いと言われても売れなければしょうがない。味の面では甘さと酸味のバランスや、傷みをどのようになくすことができるのか、農家の方々といろいろ研究した。今では誰でも知っているブランドになり、全国2位くらいになったのではないか。」

そしてバイヤーさんはインタビューの最後に自信をもってこう締めくくりました。

「商品は価値。価値はお客様が選ぶもの。価値が伝われば安くしなくても売れる。売れないのは売れない理由があるんです。」

販売の現場で、お客様を相手に商売をしている彼ならではの意見でした。

本年6月に交付された、「小規模企業振興基本法(小規模基本法)」では、基本的施策の中で、「多様な需要に応じた商品・サービスの販路拡大、新事業展開の促進」を第1番目に挙げています。その背景として、小規模企業は、人口減少・高齢化・海外との競争の激化等、我が国経済の構造的変化に直面、日本全国に景気の好循環を浸透させ、地方に強靱で自立的な経済を構築するためにも、雇用を支え、新たな需要にきめ細かく対応できる小規模事業者の役割が重要である、としています。そして、来年度において、小規模事業者のビジネスプランに基づく販路開拓推進への支援の計画など、重点施策に位置づけられています。

販路拡大には、その販路の要望に応じた商品やサービスの開発が密接に関わります。販路の要望とは、顧客ニーズに合致している商品やサービスの提供であり、同時にお客様に支持されない商品・サービスは、どんどん淘汰される厳しい時代です。

冒頭の某食品スーパーのバイヤーの方は、売れない「いちご」を売れないままにしておかなかった点が、「安くしなくても売れる」ようにできた理由であると言えます。その方法として、売り手側から作り手側へのお客様情報のフィードバックによって商品はブラッシュアップされ、また、作り手側のこだわりや、生産情報を店頭で伝えることで商品の価値がお客様に伝わり、安売りしなくても売れるようになってきた例です。

お客様に支持される商品やサービスとは、どのようなものなのか、すぐに答えがみつかるわけではありませんが、お客様目線を意識した商品・サービスについて今一度検討することが開発・改良の第一歩であると考えます。

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