新型コロナウイルスに関連する特例措置について

税理士・中小企業診断士 加藤幸子

令和2年4月7日に政府より緊急事態宣言が発出されました。この原稿を書いているのが4月中旬です。

いまだ新型コロナウイルスの感染拡大は止まらず、国民は不要不急の外出を控え耐え忍んでいる状況です。テレビやラジオのニュースはコロナに関するものばかりで暗い気持ちになります。個人の生活も心配です。同様に、事業活動を営んでいる事業者の方々も、自身ではどうにもならない状況の中、ただただ耐え忍ぶしかありません。知恵と工夫でなんとか凌いでいる事業者の方々もいらっしゃるようですが、従来通りの売上を確保するには到底及ばない状況ではないかとお察しします。

そのような事業者を支援するための特例措置が国や地方行政から次々と発表されています。日々更新されるので、情報を収集して整理するのにも一苦労です。困っている皆様に少しでもお役に立てば、と思い、現時点でわかっている特例措置を整理してみたいと思います。

資金繰り支援

  • 新型コロナ感染特別貸付(経済産業省)

新型コロナウイルス感染症により、業績が悪化した事業者に対して特別融資の制度です。一部対象者の一定額までの融資については、特別利子補給制度により当初3年間は実質無利子で利用できます。

対象事業主 融資限度額
国民生活事業 売上高が前年同月比5%以上の減少した事業者
業歴が3ヵ月から1年1ヵ月未満の場合は、売上高が、次のいずれかと比較して、5%以上減少した事業者
 ①過去3ヵ月の平均売上高
 ②令和元年 12 月の売上高
 ③令和元年 10~12 月の平均売上高
3000万円(別枠)
利子補給限度額は3000万円
中小企業 3億円(別枠)
利子補給限度額は3億円
  • 特別利子補給制度(経済産業省)
小規模事業者 中小企業
個人 要件無し 売上高が20%以上の減少した事業者
法人 売上高が15%以上の減少した事業者

※小規模事業者とは、卸・小売業、サービス業は「常時使用する従業員が5名以下の企業」、それ以外の業種は「同 20 名以下の企業」をいう。中小企業者とは、この他の中小企業をいう。

  • 新型コロナウイルス対策マル経融資

新型コロナウイルス感染症により、業績が悪化した小規模事業者の資金繰りを支援するため、通常のものとは別枠で1000万円の範囲内で当初3年間、通常の貸付金利(3/17時点1.21%)からマイナス0.9%引き下げて対応する特例措置です。

対象事業主 融資限度額
1年以上事業を営み、商工会議所の経営指導を原則6か月以上受けている事業者で、売上高が前年同月比5%以上の減少した事業者 1000万円(別枠)
  • 持続化給付金

新型コロナウイルス感染症により、特に大きな影響を受ける資本金10億円以上の大企業を除いた事業者に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金です。

対象事業主 給付額
個人事業 売上が前年同月比50%以上減少した事業者
減少分=(前年総売上高)-(前年同月比▲50%月の売上×12ヵ月)
200万円(上限)減少分を限度
中小企業 100万円(上限)減少分を限度
  • 信用保証(経済産業省)
対象事業主 保証割合
セーフティネット保証4号 売上高が前年同月比20%以上の減少した事業者 100%保証
※一般保証とは別枠で2.8億円
セーフティネット保証5号 売上高が前年同月比5%以上の減少した事業者 80%保障
※一般保証とは別枠で2.8億円
危機関連保証 売上高が前年同月比15%以上減少し、かつ、その後2カ月を含む3ヵ月間の売上が前年比15%以上減少することが見込まれる全業種の事業者 100%保証
※セーフネット保証とは別枠で2.8億円

助成金

  • 雇用調整助成金(コロナ特例)

経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るために要した費用を助成する制度です。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例が追加実施されました。

対象事業主 支援内容 適用期間 申請場所
直近1ヶ月の売上高が5%以上減少した事業主が従業員に休業を命じた場合 中小企業:4/5
大企業:2/3
※解雇等行わない場合、助成率の上乗せ
 (中小企業9/10、大企業3/4)
※教育訓練を実施した場合、加算額の引上
 (中小企業2,400円、大企業1,800円)
※一人あたり8,330円が上限
※対象従業員が6ヶ月未満・被保険者でなくても可
休業等の初日が令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合 都道府県労働局または公共職業安定所(ハローワーク)
  • 小学校休業等対応助成金

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(年次有給休暇を除く。)を取得させた企業に対する助成金です。

対象者 支援内容 適用期間
事業主向け 休暇中に支払った賃金相当額×10/10
※支給額は8,330円を日額上限とする
※大企業、中小企業ともに同様
令和2年2月27日から6月30日のまでに取得した休暇について令和2年9月30日までに申請
フリーランス向け
※こどもの世話を行うために契約した仕事が出来なくなった個人で仕事をする保護者
一日にあたり4,100円(定額)

税制措置

税制措置 内容
納税猶予の特例 令和2年2月以降の任意の期間(1ヶ月以上)の事業収入が前年同期に比べておおむね20%以上減少し、一時的に納税を行う困難である場合に、無担保かつ延滞税なしで1年間、国税の納税を猶予できるとされました。
欠損金の繰戻しによる還付の特例 資本金1億円超10億円以下の法人(※大規模法人の100%子会社は対象外)も青色欠損金の組戻し還付が受けられるようになります。令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する各事業年度に生じた欠損金額について適用されます。
テレワーク等のための中小企業の設備投資税制 遠隔操作、可視化、自動制御化等のテレワーク等のための設備投資が取得等した設備の即時償却又は7%(資本金3千万円以下は10%)の税額控除ができる中小企業経営強化税制に追加されます。
固定資産税等の軽減措置 売上高が一定以上減少した中小企業者等の固定資産税および都市計画税について、令和3年度分に限り2分の1またはゼロとなります。ただし、令和3年1月31日までに認定経営革新等支援機関等の認定を受けて各市町村に申告する必要があります。
その他 その他にも「中止されたイベントに対する入場料等の払戻請求権を放棄した場合の寄付金控除」「住宅ローン子所の適用要件の弾力化」「消費税の課税事業者選択届出書の提出に係る特例」「特別貸付に係る契約書の印紙税の非課税」などがあります。
詳細は財務省HPに掲載されております。
(財務省HP:https://www.mof.go.jp/tax_policy/keizaitaisaku.html

情報が錯綜していますが、行政や商工会議所、専門家などに相談しながら冷静に対処してまいりましょう。

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