第146回かわさき起業家オーディション参加レポート
2026-3-29
2026年3月6日(金)、川崎市産業振興会館にて、第146回かわさき起業家オーディションの最終選考会が開催されました。
かわさき起業家オーディションは、起業家と多様な企業・団体による「協業のプラットフォーム」となるビジネスプランコンテストを目指し、年4回川崎市にて開催されるビジネスオーディションです。活動拠点や国籍などの制限がないオープンなオーディションとして、様々なビジネスアイデアを持った多様な方々が参加されます。第146回の最終選考会では、一次書類審査および二次面接審査を通過した5名の起業家からのビジネスプランの発表がありました。5名の発表の概要は以下の通りです。
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株式会社HelioX 代表取締役 ハン ビン様
太陽光で走るマイクロモビリティで地域の移動と防災の課題を解決します

株式会社HelioXは、太陽光発電を活用して走行するマイクロモビリティの開発を進めているスタートアップ企業です。複数方向に配置したソーラーパネルから発電した電力を高効率に制御する独自システムにより、充電インフラに依存せず自立走行できることが特徴です。さらに車両管理システムを組み合わせることで、車両の遠隔管理や利用状況の把握、走行エリアの制御などを行うことができ、地域におけるシェアリングモビリティとしての運用にも対応しています。
本サービスは、地域の移動手段不足や高齢化に伴う移動困難、観光地における二次交通の不足といった社会課題の解決に寄与することが期待されます。太陽光エネルギーによる自給型のモビリティであるため、充電設備の整備コストや運用コストを抑えることができ、地域での導入ハードルを低減できます。また、災害時には電源として活用できる可能性もあり、移動手段と防災機能を兼ね備えた新たな地域インフラとしての役割も期待されます。
今後は、観光、生活、防災などさまざまな分野での活用を視野に入れながら、実証実験を通じて事業モデルの確立を進めます。将来的には多分野でサービスを展開し、導入地域の拡大とともにモビリティのラインナップも拡充する予定です。太陽光エネルギーを活用した持続可能なモビリティの普及を通じて、環境負荷の低減と地域の移動課題の解決を両立する社会の実現を目指しています。
株式会社モーンガータ 百済 貴子様
廃棄化粧品の再生活用

株式会社モーンガータは、役目を終えた化粧品を新たな素材へと再生するアップサイクル事業に取り組んでいます。独自開発の「マジックウォーター」と呼ばれる技術により、使い切れなかったアイシャドウやチークなどのカラー化粧品を水溶性の絵の具などの色材へと変換することが可能となります。この技術を活用することで、家庭に眠る化粧品をアートや雑貨制作などに活用できる体験を提供するとともに、企業から発生する廃棄予定の化粧品原料や製品も新たな資源として再利用しています。
化粧品業界では、消費者による未使用廃棄や企業の開発・製造過程で発生する廃棄など、多くの資源が失われているとされています。同社はこうした廃棄化粧品を回収・再資源化し、文具や印刷、建築素材などさまざまな製品の色材として活用することで、資源循環型のビジネスモデルを構築しています。企業の廃棄コスト削減につながるとともに、環境負荷の低減やサステナブルな製品開発の促進といった社会的価値の創出にも貢献しています。
今後は化粧品メーカーや商業施設との連携をさらに拡大し、廃棄化粧品の回収とアップサイクルの仕組みを社会に広げていきます。また、工業素材としての活用を進めることで、アップサイクル素材の新たな用途開発にも取り組む予定です。化粧品由来の色材が持つ独特の質感やストーリー性を活かしながら、化粧品の資源循環を社会に定着させることを目指しています。
サステナブルクリエイト株式会社 代表取締役 大嶋 武様
使用済み紙おむつリサイクル装置「ダイパーウォッシュ」の開発

サステナブルクリエイト株式会社は、使用済み紙おむつを洗浄・分離し資源として再利用する循環装置「ダイパーウォッシュ」の開発を進めています。装置はドラム型の洗浄システムを採用し、袋に入れたままの紙おむつを投入することで、内部で分離・脱水・殺菌処理を行い、パルプやプラスチックなどの資源として再生する仕組みです。独自の分離技術や電解処理技術により衛生面にも配慮されており、施設内で資源化が完結する小型装置としての実用化を目指しています。
高齢化の進展に伴い、紙おむつの廃棄量は年々増加しており、多くが焼却処理に依存しているのが現状です。同装置は焼却処理を減らすことでCO₂排出削減や焼却炉の負荷軽減につながるほか、医療・介護施設における廃棄コスト削減にも寄与します。さらに回収した資源を再利用することで地域内での資源循環を促進し、環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献する取り組みとして期待されています。
今後は医療・介護施設への導入を進めながら、自治体と連携した地域循環モデルの構築を目指しています。回収した資源を加工し再利用する仕組みや、災害時における衛生対策としての活用など、多様な用途も視野に入れています。まずは川崎市での実証を通じて事業モデルを確立し、その成果をもとに全国展開を図り、紙おむつの資源循環を実現する社会インフラの構築を目指していきます。
株式会社タテオキ 代表取締役 村田 茂雄様
『本棚を見れば、その人がわかる』 本棚プラットフォーム「タテオキ」

本事業では、組織内の本棚をデジタル化し共有することで、社員同士の相互理解やコミュニケーションを促進するプラットフォーム「タテオキ」を提供します。本棚に並ぶ書籍は、その人の価値観や興味関心、スキルの源泉を示す情報です。同サービスでは社員一人ひとりの本棚をオンライン上で可視化し、組織内で共有できる仕組みを構築することで、書籍を通じた新たなコミュニケーションのきっかけを生み出すサービスを展開しています。
企業では人間関係の課題が離職理由の一因となるなど、組織内コミュニケーションの活性化が重要なテーマとなっています。本サービスは、社員の知識や興味を本棚という形で共有することで、自然な会話のきっかけや相互理解を生み出し、組織のエンゲージメント向上につながる仕組みを提供します。また、読書文化の促進や知識共有の活性化を通じて、企業内の学習環境の充実や人材育成も期待されます。
今後は企業や組織への導入拡大を進めるとともに、経営者やビジネスパーソンの本棚を紹介するメディア展開や、個人向けサービスへの展開も視野に入れています。さらにユーザー拡大に伴い、書籍購入連携や広告事業などの収益モデルを構築しながら、ビジネスパーソンが新たな知識や価値観と出会う機会を創出するサービスとして成長を目指していきます。
ChopValue Manufacturing Japan株式会社 代表取締役 山上 剛史様
お箸でつなぐ、循環の未来 廃棄物からの画期的なアップサイクル

本事業は、使用済みの割り箸を回収し、新たな家具や建材などへとアップサイクルすることで資源循環を実現する取り組みです。日本では年間約200億本もの割り箸が使用され、その多くが廃棄されています。本事業では、飲食店などから回収した割り箸を加工し、テーブルや椅子、内装材などの製品へと再生することで、都市に存在する未利用資源を活用しています。
回収した割り箸を再資源化することで廃棄物削減につながるだけでなく、付加価値の高い家具や建材として再生することで新たな市場を創出する可能性を持ちます。さらに、地域内で回収・加工・利用までを循環させるモデルの構築が進められています。こうした取り組みは、環境負荷の低減や地域資源循環の促進といった社会的貢献にもつながります。
今後は飲食店や企業、自治体などとの連携を拡大し、割り箸回収ネットワークの構築と製品開発を進めていきます。また、マイクロファクトリーの設置を各地に広げることで、地域ごとに資源を循環させる仕組みの実現を目指します。将来的には全国展開や海外展開も視野に入れ、都市型資源循環モデルの確立に取り組んでいく予定です。
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最終選考会に残った5社はいずれも最先端の情報通信技術を活かし、地域の移動手段不足、災害時の電源確保、化粧品廃棄の資源循環、紙おむつ廃棄物の削減、組織内コミュニケーション活性化、割り箸の資源循環という社会課題に挑む、まさにスタートアップならではの独創性と革新性を持ったビジネスプランだと感じました。
今回のオーディションでは5社とも甲乙つけがたい内容でしたが、川崎中小企業診断士会応援賞の該当企業として、サステナブルクリエイト株式会社様が受賞されました。サステナブルクリエイト株式会社様には、副賞として当会中小企業診断士の支援を半年間に2回受けることが可能となっています。おめでとうございます。

さて、次回のかわさき起業家オーディション第147回の最終選考会は2026年7月17日(金)です。ご興味のある方は下記サイトをご覧ください。
▼かわさき起業家オーディション 公式HP
https://www.kawasaki-net.ne.jp/bizidea/
多数のご参加をお待ち申し上げております。
(文責:創業支援部 石川)
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