第131回 かわさき起業家オーディション 川崎中小企業診断士会 応援賞贈呈

2022-8-20

7月22日(金)に、第131回かわさき起業家オーディション 最終選考会が開催されました。コロナ・オミクロンの新生変異株BA.5が猛威を振るい、毎日のように感染者が日本全国で10万人を突破、更に、毎日のように過去最高を更新しています。これまでの感染防止・抑制策よりも経済活動の維持・回復に舵切りされているようです。一方、ロシアのウクライナ侵攻の長期懸念により食料・エネルギー・原材料すべてが高騰し、こちらでは、経済への下方圧力が強まっています。
このような心身の健康、国内外経済の先行きも不透明な中ですが、今回もリアル参加者・オンライン参加者の前で、ビジネスアイデアの力強いプレゼンテーションが繰り広げられました。
多数の応募の中から最終選考会に勝ち上がった4企業の共通点は、「顧客によりそう技術・製品ヘの取組」であることです。また、今回3年ぶりに「かわさき起業家大賞(川崎市長賞)」が選出されました。
これらの高いレベルでのビジネスアイデアの中、当会から、川崎中小企業診断士会 応援賞をLOOVIC株式会社 代表取締役 山中 亨(やまなか とおる)様に贈呈させて頂きました。
LOOVIC株式会社のビジネスアイデアのテーマは「空間認知の社会課題を五感 IoT で解決する LOOVIC」です。
ご自身のお子様が発達障害を抱え、登下校等の際、景色を記憶しづらい、迷子になりやすいなど、顔や物品の認識や物品を見つける能力の障害、簡単な道具の操作や着衣の能力の障害等の「(視)空間認知障害」がありました。そのため、一人では外出ができないので、常時、親の付き添いが必要でした。このわが子が抱える悩みを発端として、同じ悩みを持つ親・子のために開発したのが、「だれもが“迷わない”社会へ」と銘打ったサービスです。この移動・自立支援サービスは、迷うという障害を抱える方の悩みを人に優しいテクノロジーで解決するものです。
従前の支援方法は、人的支援が中心で、やはり、心情的・性格的な相性があるとともに、そもそもそのような支援者が少数であり、費用面の問題も課題でした。さらに、支援慣れや依存は、本人が社会での自立の阻害になることが最も大きな課題でした。このため、開発目標は「本人だけで解決できること」とし、以下のプロダクトを開発中です。同社では、これらの実施権を権利化・保護する特許権・意匠権出願を行っています。

  1. Physical Navigation デバイス・サービス 『LOOVIC』:
    このデバイス(器材)により、画面・図の認識が難しい彼らのために、案内方法をスマホ等の画面を見ることから、画面を見ないで体感誘導することとしています。デバイスは、首掛けタイプで声と触覚により次の方向をナビゲートします。技術的には音声(聴覚誘導)と骨伝導・振動を使っています。
  2. サービスGuide help モバイルサービス「Ready to go out」:
    こちらは、デバイス・サービス 『LOOVIC』と連携する人の移動を支援するDXです。『LOOVIC』をサポートする機能として、ガイドヘルプ事業者やボランティアとの連携を構築する「自動マッチングシステム」等から構成されています。

ターゲットは、視覚障害や聴覚障害ではなく、グレーゾーンと呼ばれる見た目も話し言葉も軽度(発達障害、高次脳機能障害、軽度認知障害)の障害を持つ方々です。視空間認知障害に悩みを抱えながらも社会進出意欲が高い方、その支援者・ガイドヘルパーおよびシニア層などに役立てていただければと考えています。
我々川崎中小企業診断士会は、我々が目指す「社会課題の解決」を共有化できる可能性があり、SDGsにおいても広く貢献することが期待されることから、川崎中小企業診断士会 応援賞を贈呈させて頂きました。

次回のかわさき起業家オーディションは、コロナ不安、ウクライナ/ロシア不安、経済的不安が軽減される兆しを期待する9月16日(金)に第132回の開催を予定しています。コロナ亜種の不安はありますが、リアル会場でのプレゼンテーション および、リアルなビジネス交流ができることを期待すると共に、皆様にもプレゼンテーションを盛り上げて頂けるよう願い、多数のご参加をお待ち申し上げております。

(文責:創業支援部 金子康彦)

記念撮影(右から山中代表取締役、入谷当会理事長)

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