第130回 かわさき起業家オーディション 川崎中小企業診断士会 応援賞贈呈

2022-3-20

3月11日(金)に、第130回かわさき起業家オーディション 最終選考会が開催されました。コロナ・オミクロン株もピークアウトしたのではと、明るい兆しも見え隠れする一方、ロシアのウクライナ侵攻により、世界経済の先行きも不透明な中ですが、今回もリアル参加者・オンライン参加者の前で、ビジネスアイデアの力強いプレゼンテーションが繰り広げられました。

多数の応募の中から最終選考会に勝ち上がった4企業の共通点は、特許化できる高い技術を持ち、差別化要因、参入障壁としていることです。これらの高いレベルでのビジネスアイデアに対し、当会から、川崎中小企業診断士会 応援賞をFKS株式会社 代表取締役 藤原 奏龍(ふじわら やすたつ)様に贈呈させて頂きました。FKS株式会社のビジネスアイデアのテーマは「耐震性排水管自在接手『LSJ』」です。

差別化・参入障壁として、1)特許権2件:①特許5807984:「液状流体配管接合部用自在継手」、②特許6083032:「液状流体通路用自在管継手及びそれを利用した液状流体物処理機器」、2)意匠権1件:意匠登録1545242:「液状流体配管接合部用自在継手」、3)商標登録:第6120330号「LSJ」を持っています。最終製品ですので特許に加え、意匠権で権利保護を強化しており、当該自在接手を「LSJ」としてブランド展開を行い、その保護として商標登録も行っています。さらに、海外展開を視野に、特許・商標を海外出願;アメリカ、EU、中国、フィリピン、インドネシア、台湾に行う等、ビジネス展開計画を支える計画的な特許戦略を展開しています。

当該製品の開発のきっかけは、同社が営んでいる土木・建設業における排水管埋設時のトラブルです。1つは可動範囲の大きい自在接手が有りません。私も海外拠点の工場建設の際に建設工事管理をしていた時に、配管埋設の際、可動範囲の大きい自在接手が無いという不便さは痛感しました。2つめは接手内に配管内の流動固形物(残渣物)が残りやすい、3つめは流動物を滞りなく流す(流動させる)ために配管の傾斜勾配を2%(排水は勾配で自然に流れていくように設計します。勾配2%とは配管1メートルごとに20mm下げる(勾配を付ける)ことです。勾配を現在市販の接手で確実にとることが、構造上無図難しいです。4つめは、地震等の地盤の揺れを配管系に吸収する機構がないため、配管が容易に破損していまいます。この自社・業界のリアルニーズを解決すべく、世界初の排水管の自在接手および伸縮接手を開発したとのことです。

この製品の特長・優位性として、簡単に勾配角度調整でき適切な排水勾配を取ることができるため残渣物を残さない。また、自在接手であるために、振動・揺れ(パイプの動き)の吸収に優れ、配管系の破損を防ぐことができます。この事業において、同社は当該製品の企画・開発を行い、生産は台湾企業に委託、販売先は、まずは国内中心に、大手ハウスメーカー等取引が決まっており、他、ゼネコン、道路公団、リフォームメーカーへの販路を拡大予定とのことです。我々川崎中小企業診断士会は、この画期的な技術を強みとし、我々の活躍の場である川崎市から世界に飛躍を目指す開発型企業に、また、共に川崎の企業・経済回復・発展に資することが期待できることから、川崎中小企業診断士会 応援賞を贈呈させて頂きました。

次回のかわさき起業家オーディションは、コロナ不安、ウクライナ/ロシア不安が解消していることを期待する7月22日(金)に第131回の開催を予定しています。ワクチン接種に加え治療薬により、リアル会場でのプレゼンテーション および、リアルなビジネス交流ができることを期待すると共に、皆様にもプレゼンテーションを盛り上げて頂けるよう願い、多数のご参加をお待ち申し上げております。

(文責:創業支援部 金子康彦)

記念撮影

耐震性排水管自在接手「LSJ」

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