幹部合宿で社員の意識を変え組織を活性化する

中小企業診断士 石川征郎

1.組織変革の考え方
組織変革の7Sモデルをご存知でしょうか。
組織というものは、まず①戦略があって②組織構造が作られます。そしてこれを動かしていくための③人事などの管理システムを作らなければなりません。①~③はいずれも形にするものですから、「ハードの3S」と呼ばれています。
この「ハードの3S」だけでは組織は動きません。そこに④人材がいて、その人たちの⑤行動と⑥能力が必要です。さらには組織全体がひとつの方向にまとまるための⑦共有された価値観が必要となります。④~⑦は人に付随する、形としては見えにくいものですから、「ソフトの4S」と呼ばれています。
この7Sモデルは「ソフトの4S」の重要性を示しています。すなわち、「制度を作っただけでは人は変わらない。意識を変えなければ組織は動かない」ということです。
2.組織変革の手法
社員の意識を変え、組織を活性化するためには、組織と、所属している社員の向かおうとしているベクトルが一致させることが最も重要です。これを実現できたとき、組織は劇的に変化し、生み出される成果はバラバラだったときの何倍にもなります。
それを実現する組織改革の手法として、職場から離れ、集中して議論するオフサイトミーティングが有効だといわれています。全員が本音で議論し、組織の夢・ビジョン・経営方針を共有することにより、自らの役割に気づき、主体的に行動を起こさせるための「場」が必要なのです。そのような「場」として、経営者と幹部社員による「幹部合宿」をご提案いたします。
3.幹部合宿の効果
幹部合宿では、経営者と管理職・職場リーダーが、まず、会社の向かうべき方向とそのために実現すべき当面の目標について議論します。組織の目標が共有できたら、「私はそのために具体的にこれをやります」と自ら手を挙げて宣言するまで、夜を徹して話し合います。
今まで二十以上の会社で幹部合宿を実施しましたが、本音で議論しますので、日頃の不満などが噴出し厳しいやりとりをする場面もありました。しかしそういう過程を経て、組織と個人の思いがだんだん一致してきます。つまり組織の目標を達成しなければ、個人の夢は実現できないのだと気がつくのです。そして、夢の実現のため、どういう行動をとり、能力を発揮すればよいかが見えてきて、「ソフトの4S」が形成されていくのです。

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