ジタハラをご存知ですか?

古森 創

ジタハラって何?

「ジタハラ」とは時短ハライスメントの略称です。

ジタハラという言葉が生まれた背景には、今年(2019年)4月1日から施行される働き方改革関連法案があります。働き改革関連法案の目玉と言われているのが、時間外労働、つまり残業に対する上限の見直しです。2019年4月1日以降、原則として残業は月45時間が上限とするように法律で定められました。そして、これを守らなければ、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」の罰則が設けられました(労働基準法の改正)。

残念ながら、日本は長時間労働大国です。働き方改革関連法案の施行前に時短対策をとる企業が増えたわけですが、具体的な改善策もなく、仕事量も変わらないにもかかわらず、定時帰りを強制するため、ハライスメントとなっているのが実態のようです。ジタハラは2018年の流行語大賞にノミネートされたぐらいですから、どれだけの多くの企業が間違った対策をしているのかが容易に想像できます。本来であれば、社員や部下に喜ばれるはずが、逆に不満を生む結果になっています。

それでは、正しい時短対策はどうすればよかったのでしょうか。

マラソンをイメージしてみよう!

仕事は時間をかけてゴールに向かうという点ではマラソンのようなものです。

マラソンの場合、ゴールとコースが明確に設定され、距離は42.195kmと決まっています。ですから、ランナーは標準タイムを基準として、自己ベストをめざして頑張ります。

仕事の場合も、ゴール(目標)とコース(目標達成するための方法)を明確にすることにより、どのくらいの時間がかかるかを想定することができます。今までと同じ程度の目標、同じやり方であれば、マラソンで自己ベストがでても、数分・数秒しか短縮できないのと同じで、社員個人がベストを尽くしても、それほど短縮はできません。

適切な目標設定と、これまでと違うやり方を考えなければ、長時間労働は解決しないのですが、なぜか、定時になると帰社を強制するといった勤怠管理を強化するだけの会社が多いようです。結果、家に仕事を持ち帰る人が増えては、問題は悪化していくだけです。

また、極稀にですが、マラソンではコースを間違う人がいます。コースを間違えば、余計な時間がかかります。仕事の場合、コース(目標達成するための方法)を決めても、思ったようにいかないことは多々あります。むしろ、その方が多いとも言えます。

マラソンではコースを誤らないようにポイント毎に人が立っているように、マネージャーは決められた方法で仕事が進められているかチェックし、思ったように進んでいなければ是正措置を部下と一緒に考えなければなりません。しかし、最近はプレイングマネージャ-が増え、全体を見渡せる余裕がないようです。予定通り進んでいるか、定期的に全体を見渡すことを仕組みとして導入しなければなりません。

また、42.195kmを1度の給水もせずに走れる人はいません。ランナーは給水場で時間をロスしないように気を付けています。仕事の場合、適時、タイミングよく行わないといけないことが会議です。時短のため会議を無くすと短絡的に考えている会社も少なくないようですが、組織として働く以上、マラソンにおける給水と同様、会議は重要な意義をもちます。大事なことは、ランナーが給水場で時間をロスしないように気を付けるように、会議も無駄なことに時間をつかわないように運営をしっかりすることです。

掛け声だけでは、時短はできない!

2018年4月22日に行われたロンドンマラソンでの市民ランナー(男性)の平均タイムは4時間32分17秒でした。マラソンの世界記録は2時間1分39秒。世界一速いランナーでも、2時間1分39秒かかります。どんなに声援しても、この時間が大幅に短縮できるわけではありません。

そもそも社員や部下は誰しも一生懸命働いています。普通の人と仕事ができる人の差はあるかもしれません。また、いつもベストタイムをだしているわけでもありません。しかし、掛け声だけでは、今かかっている時間を大幅には短縮できるわけではありません。

マラソンではルールを変えることはできませんが、仕事ではルール(やり方)を変えることができます。ルールや仕組みを変えないと時短は実現できません。ルールや仕組みのソフト面を改善し、生産性を上げることで、時短とモチベーションアップの両方を実現していきましょう。

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