「日本再生戦略」と「中小企業戦略」

松井利夫

 平成24年7月31日に閣議決定された「日本再生戦略」によると、「日本再生戦略」の基本方針は、第1に、「被災地の復興なくして日本の再生なし」、「福島の再生なくして日本の再生なし」という強い決意の下、その過程において、「日本再生戦略」で掲げる各種施策を優先的、重点的に実行する。第2に、国内外で今後需要の増加が見込まれるグリーン(エネルギー・環境)、ライフ(健康)、農林漁業(6次産業化)の3分野など、新たな成長を目指す重点分野について、日本経済を支える中小企業の活力を最大限活用しつつ、今後3年間の集中取組期間中に、この分野における規制等を見直すとともに、限られた政策財源を優先的に配分するとあります。「日本再生戦略」の実行に当たっては、①社会保障制度との関係、②財政との関係、③グローバル経済の成長の取組との関係、④新エネルギー政策と成長との関係、⑤あらゆる成長の実現に不可欠な人材育成や基盤インフラ等との関係、について特に留意する必要があると謳っています。

 日本再生のための具体策としては、(1)政策実行の枠組み、(2)「共創の国」(註:全ての人に「居場所」と「出番」があり、全員参加、生涯現役で、各々が「新しい公共」の担い手となる社会)への具体的な取組、の二つを掲げています。(1)の政策実行の枠組みについては、政策対象の明確化による施策のメリハリある実施~日本再生の4大プロジェクトの優先実施~、を実施することにしています。なお、4大プロジェクトとは次のプロジェクトのことです。①グリーン:革新的エネルギー・環境社会の実現プロジェクト、②ライフ:世界最高水準の医療・福祉の実現プロジェクト、③農林漁業:6次産業化する農林漁業が支える地域活力倍増プロジェクト、④担い手としての中小企業:ちいさな企業に光を当てた地域の核となる中小企業活力倍増プロジェクト。(2)の「共創の国」への具体的な取組みについては、11の成長戦略と38の重点施策を掲げています。11の成長戦略とは、①グリーン成長戦略、②ライフ成長戦略、③科学技術イノベーション・情報通信戦略、④中小企業戦略、⑤農林漁業再生戦略、⑥金融戦略、⑦観光立国戦略、⑧アジア太平洋経済戦略、⑨生活・雇用戦略、⑩人材育成戦略、⑪国土・地域活力戦略、です。

 「日本再生戦略」では、「中小企業戦略」の一環として、「ちいさな企業に光を当てた地域の核となる中小企業活力倍増プロジェクト」を実施しますが、その内容は次の通りです。

(1)小さな企業をしっかり支援するための施策を再構築し、新たな「知識サポート」の創設など、それぞれの実情に沿ったきめ細かい経営支援策を総合支援パッケージとして抜本強化するとともに、ユーザー目線に立った行政サービスの向上(申請手続簡素化、補助金の小口化)を図る。

(2)中小・ベンチャー企業の起業・創業・育成の支援体制強化を図るため、世界を目指す起業・創業、若手・女性等の起業・創業、第二創業といった様々な段階の起業を促進する施策、創業時・創業後の経営面の知識サポートの抜本強化、ベンチャーに挑戦する人材を鍛え、市場志向で新事業を創出する「場」の創設等を実施する。

(3)ものづくり技術の強化・継承を支援するため、マイスター制度の創設、ものづくり指導者養成・活用による技術・技能承継の推進等を行う。などを実施しようとしています。

中小企業庁では、「日本再生戦略」の4大プロジェクトの一つに「中小企業」が位置づけられていることを踏まえて「小さな企業に光を当てた施策体系の再構築」を実施するため、平成25年度の中小企業対策費として平成24年度当初予算額比254億円増の1.314億円を概算要求していますが、今後の展開に注目していきたいと思います。

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