効率的、効果的なデータ分析を行うために必要な手順

金澤 良晃

はじめに

中小企業においても、データを分析して、その結果を企業活動に役立てるといった機会は増えています。

例えば、

  • 競合他社の製品価格を分析して、自社製品の価格を決める
  • 消費者アンケート調査(分析)を行って、新商品の開発を行う
  • 製品の抜き取り検査(分析)を行い、不良率を調べた上で出荷する

などです。

こうした分析が自社で簡単に行えるようになってきた背景には、Microsoft Excelをはじめとする表計算ソフトの普及や、統計ブームなどが要因にあると感じています。

紙とペン、電卓を使い手計算で分析すると大変ですが、Excelなどのソフトウェアを活用すれば、簡単に計算することができます。おそらく計算間違いも少なくなるでしょう。それに、Excel内に一旦計算式を組んでしまえば、次からはデータの差し替えで何度も使い回しができるといったメリットもあります。こうした容易さや便利さが、データ分析の普及に大きく影響しているものと思われます。

 

より良い分析手順を考える

さて、便利になった分析環境によって、実は弊害も生まれています。それは、「よく考えないまま取りあえず分析して、結果をそのまま使ってしまう」といったことです。具体的には、以下のような感じです。

  1. 深く考えずにデータを集める
  2. 集めたデータを分析する。(例)Excelなどで、表やグラフを作成する
  3. 分析結果(表やグラフ)をWordやPowerPointに貼り付けて、上司や取引先に見せる

さて、上の手順のどこがいけないのでしょうか。結論から言えば、「目的」と「プラン」が明確でないまま分析をしてしまっていることが問題といえます。

目的がないまま手当たり次第分析することは、目的地を決めないで電車に乗るようなものです。分析を行う前に、分析によってどんな結果を得たいのかをはっきりさせておく必要があります。上の例で言えば、

  • 自社製品の価格を決めたい
  • 新商品の開発を行いたい
  • 出荷しても問題がないか判断したい

といったことです。

まずは、こうした目的をはっきりさせることが大切です。

次に、プランです。目的が決まっても、プランがなければ効率的な分析はできないでしょう。出張にたとえてみましょう。東京から大阪に出張に行くとき、数ある交通手段の中から最適なルートを選びますが、多くの方が飛行機や新幹線を選ぶと思います。船やタクシーを使う人はほぼいないでしょう。

データ分析でも同じことがいえます。目的を達成するために、どんな分析手法を使うべきか、どんなデータを集めるべきか、といったプランを練ることが大切です。

以下は、目的とプランを含めて手直ししたデータ分析の手順です。目的は手順1.と5.に関連し、プランは手順2.と3.に当たります。

  1. データ分析の目的を明確化させる
  2. 分析手法を決める
  3. 必要なデータを集める
  4. 集めたデータを分析する
  5. 当初の目的につながるように、分析結果を解釈する
  6. 解釈した内容を、上司や取引先に分かりやすく表現する

 

さて、手順5.と6.について、上では詳しく触れませんでしたが、実は、データ分析を行う上で「目的」、「計画」に次いで大切なことは、この2つの手順になります。この2点について、次の項で説明します。

 

目的につながる解釈と、分かりやすい表現をする

手順5.は、「当初の目的につながるように、分析結果を解釈する」です。単なる分析結果の解釈ではなく、当初の目的を意識した解釈である必要があるということです。

もし当初の目的と全く関係のない解釈をしてしまったら、どうなるでしょうか。首尾一貫したものではなくなるため、結果報告を受けた第三者には伝わりにくい結果となってしまいます。そもそも目的とは無関係な結果が出てきてしまうため、目的の達成はできません。

仮に、分析した時に、事前に立てた仮説(目的)を裏付ける結果が得られない場合もありますが、それはそれで一つの結論であり、仕方のないことだといえます。大切なのは常に目的意識を持って脱線しないということです。

次に手順6.の「解釈した内容を、上司や取引先に分かりやすく表現する」についてです。分析者(分析した本人)にとっては、分析手順を全て踏まえているため、分析で得られた表やグラフなどを解釈するのは容易です。しかし第三者にとっては、結果だけを知るといったケースも少なくありません。上司や取引先に説明する時には、いきなり結果だけを見せて説明するのではなく、なぜこの分析を行ったのか、どういう手法やどんなデータを使って分析したのかを説明する必要があります。また、分析し得られた解釈の内容を、相手に論理的に分かりやすく説明することが求められます。

データ分析の究極の目的は、第三者に何らかのアクションを起こさせることです。解釈の内容を相手にしっかり伝え、相手のアクションを引き起こすことができたなら、効果的なデータ分析であったといえるでしょう。

 

まとめ

現代では、表計算ソフトの普及により、データ分析に取組みやすい環境が整っています。しかし、やみくもにデータを集めて、無計画に分析を行うのは効率的とはいえません。目的を定め、適切な分析手法を検討してから、必要となるデータを集めるといった手順を踏んでいないと、分析のやり直しといったムダな手間が発生してしまいます。

効率的な分析による分かりやすい結果(解釈)は、効果的に人を動かします。新年という節目に合わせ、皆様も、ぜひ自社の分析手順を再考されてみては如何でしょうか。

 

なお、来る2月8日(水)14:00~16:30 に、「無料でできる!CSポートフォリオ分析による自社の強み・重点課題の発見」というテーマでセミナーを行う予定です。ご興味をお持ちの方は、こちらの案内もご覧いただければ幸いです。

 

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