今、改めてマーケティングを考える ~4Pから4Cへ~ 

中小企業診断士 入谷和彦

    マーケティングは企業にとって永遠のテーマです。どんな企業や組織においても、マーケティングの重要性は認識されており、製造業を含めた中小企業でも同じです。しかし、あまりうまくいっていないケースが多いのも実情です。

その昔、マーケティングとは「良い物を(Product)安く作って(Price)広く販売し(Place)、大規模に宣伝すれば(Promotion)売れる」とされていました(これを「古いマーケティング」とします)。

これに対して、ドラッカーは「企業活動の目的は顧客の創造である」と言いました。マーケティングの神様と言われているコトラーは、「マーケティングとは、個人や組織のための優れた価値を創造して提供し、顧客の必要(ニーズ)とし欲求(ウォンツ)を満たすことをするプロセス」(私流の要約です。これを「新しいマーケティング」とします)と定義しました。どちらも顧客視点からの出発が鍵になっています。

高度成長期の「作れば売れる」時代は「古いマーケティング」が通用しましたが、さすがに21世紀の日本でも通用すると考えられる方はいないでしょう。しかし、「新しいマーケティング」を本来の意味で実現するのは、なかなか難しいようです。

「新しいマーケティング」におけるマーケティング活動の手順は、大雑把には以下のようになります。

①ビジョン(どのような企業になり、何を達成したいのか)とミッション(「その企業の存在理由」つまり提供する商品・サービスによって顧客にどのような価値をもたらすか)を設定する。

②SWOT(強み、弱み、機会(チャンス)、脅威(ピンチ))、および競合相手を分析する。

③マーケットのセグメンテーション(区分け)を行ってターゲット層を設定する。

④ポジショニング(ターゲット層が感じる価値を分析・調査して求め、これに対してどうアプローチして、競合相手と差別化するか)を立案する(ブランド化を含む)。

⑤具体的なマーケティングミックスとして、4P(Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション))を決定する。

⑥実施計画の立案と実施。

以上の手順は、中小企業の場合、中期的な戦略策定を行う際の手順と、ほぼ一致します。

マーケティングが難しくて失敗するケースが多いのは、どの手順にも落とし穴があって、どこかで間違えると失敗してしまうからです。特に⑤の4Pは、あくまで売り手側の視点であり、「古いマーケティング」の亡霊を呼び起こしやすい部分です。

そこで最近、この4Pを顧客側の視点の4Cに置き換えるようになってきました。

  • Product(製品)      → Customer Value(顧客価値)
  • Price(価格)       → Customer Cost(顧客コスト)
  • Place(流通)       → Convenience(利便性)
  • Promotion(プロモーション)→ Communication(コミュニケーション)

これならば、「古いマーケティング」ではなく、「顧客の価値を創造し(Customer Value)、顧客が価値に見合うと考える価格をつけ(Customer Cost)、創造した価値にアクセスしやすい手段を講じて(Convenience)、創造した価値を顧客に知らせる活動を行う(Communication)」となり、ドラッカーやコトラーからの「新しいマーケティング」につながります。マーケティングに際しては、4Cの観点で検討されることを、お薦めいたします。

関連記事

Change Language

Archives

  • 2017 (37)
  • 2016 (41)
  • 2015 (30)
  • 2014 (24)
  • 2013 (25)
  • 2012 (18)
  • 2011 (12)
  • 2010 (12)
  • 2009 (4)
ページ上部へ戻る