訪日外国人旅行者2000万人時代を見据えて

中小企業診断士・通訳案内士(英語) 中津山 恒

日本政府は、2020年の東京オリンピック・東京パラリンピックを見据えて、訪日外国人旅行者の目標を年間2000万人に設定しています。

2014年の訪日外国人旅行者は1300万人を超え、初めて年間1000万人を超えた2013年の約1036万人を大きく上回っています。2012年は約836万人でしたから、ビザ要件の緩和など、さまざまな施策によって訪日外国人旅行者が急速に増加していることが分かります。

日本には、狭い国土の中に亜熱帯から亜寒帯までの多様な自然があります。また、外国と陸続きでなく、他国の支配を受けた経験がないことから、長い間に育まれた独自の文化資産があります。

日本の文化資産は、実に多様です。江戸時代には三百諸侯と言われたように、280ほどもの藩があり、人の往来が厳しく制限されていました。当時は「国」と言えば藩のことであり、独自の文化がありました。明治維新後に居住地を自由に選べるようになってから150年が経とうとしていますが、現在でも地域に根ざした言語・食習慣・祭事などの文化が遺っていることは、驚嘆に値すると言えるでしょう。

このように豊富な観光資源があり、狭い国土の中で交通手段が発達していることは、訪日外国人旅行者にとっては大変魅力的な旅行先です。深夜でも一人歩きが可能な安全性や、日本人の高い道徳観と職業倫理が、訪問地としての魅力をさらに増していると言えるでしょう。

しかし、外国人旅行者の数を見てみると、2012年に公表された観光庁のまとめでは、日本は世界で33位、アジアで8位です。1位のフランスは8300万人で、当時の人口が6500万人ですから、国民を上回る旅行者が訪れたことになります。お隣に目を向けると、韓国では2014年に1400万人が訪れています。人口の差を考えると、日本の集客力はまだ韓国の半分にも及びません。訪日外国人旅行客を受け入れる余地は、まだまだあるのが現状です。今がまさにビジネスチャンスです。

訪日外国人旅行者の訪問先を見てみると、ゴールデンルートと呼ばれる東京〜京都〜大阪が大多数です。地方の観光地が訪日外国人旅行者を獲得していくことが、現在の、そしてこれからの課題となっています。

インターネットが広く普及した現在では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の活用によって、大きな広告費をかけることなく、ターゲットを絞って集客することが可能です。読者の皆様も、旅行するときにはSNSや各種Webサイトでのクチコミを参考にされているのではないでしょうか。そうした旅行者の行動を踏まえ、インターネットでのクチコミを増やす仕掛けを作っていく必要があります。国や地域の総力を挙げて、いわば面での努力も必要ですが、個々の事業者がまず自ら取り組むことが重要だと考えます。

筆者の専門領域はIT(情報技術)ですが、同時に英語の通訳案内士でもあり、インバウンド(訪日外国人旅行)ビジネスのお手伝いも行っています。12月から窓口相談を担当しております。インターネットを活用した広報活動は、インバウンドビジネスに限らずどの業種でも実践できるものですので、お気軽にご相談いただければと思います。

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