「中小企業憲章」は後継者と共に

川上 憲繁

中小企業憲章

 中小企業憲章は、現在、小規模企業・中小規模企業等に浸透していると思えない傾向がある。その理由は、なんであろうか。現在、事業承継が行われているチャレンジ精神がある後継経営者に浸透していないからだと思われる。後継経営者のチャレンジ精神の記載が少ないと思われる。

中小企業憲章の配布冊子からみるに、中小企業憲章は、我が国の国民生活における小規模企業・中小企業等の役割を評価し、豊かな国づくりをするための指針であり、中小企業等のバイブルと言えるものである。

中小企業憲章は、2010年(平成22年)6月18日閣議決定されたものだが、中小企業憲章が最初に中小企業の位置づけを述べていることは、『中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。

常に時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続け、多くの難局に遭っても、これを乗り越えてきた。』(中小企業庁の中小企業憲章)と記載されている。

主役は、若者たち後継経営者

中小企業憲章が世に出た頃は、小規模企業・中小企業等多くの経営者は現役であり、約60歳代後半である。主に、全ての経営者が将来的に事業承継を考える世代と思われるが中小企業等の事業承継は現在あまり進んでいないのである。

時代は早いもので約10年間はすぐやってくる。これからの時代は少子高齢社会である。今後の後継経営者である多くは若者たち(男性・女性)が主役である。我が国において戦後の復興期を、後継経営者である多く若者たちはよく知らないのである。中小企業憲章は、現在の経営者及び創業経営者向けに重視されていると思われる。

現在・将来に主役の後継者若者たち向けには、“我が国の役立つ史実・経営者の想いは別にして”記載は少ないと思われる。かつて、我が国の協力企業と中小企業の国際競争力は強かったのである。今後の産業は、複雑性の高い産業構造変化もあり、未来は若者たち後継経営者の肩に掛かっている。

現在、主な受注先である協力企業の親企業も国際競争力が傾向的に弱まっている様に思われる。それに比例して取引先中小企業等も国際競争力が傾向的に弱まっている様に思われる。ICTの活用等、経営革新と生産性向上を実践するのは若者たちであると思われる。中小企業等は自立してゆくのである。誰の力も借りずに、自らの誇りと事業継続のために前へ進むのである。

まとめ   

 本題のテーマは、中小企業憲章が傾向的に小規模企業・中小企業等に浸透しない理由は何だろうかということである。起業・新分野に関して記載はあるが、当時、中小企業憲章には、現実的ではない事業承継とか主役である若者たち後継経営者に関しての記載は少ないと思われる。

当時、多くの中小企業経営者の多くは、60歳代後半と思われる。事業承継は、誰しもが既に予想されていたと思われるが、今となっては、法律面でも整備充実支援して、M&A支援も多い。中小企業等のアンケートでは、大多数の小規模事業者の廃業理由は、自分の高齢化と健康面でも心配なのであり、経営事業が減益傾向である。赤字経営が多いのである。後継者が見当たらないことである。親族の子供たちは、大学卒業等の高学歴である。子供たちは、自社を知っているが、現経営者は、利益の出ない将来性のない会社を親族内の子どもたちに自社を継がす訳にはいかないのである。

小規模企業経営者等の引退平均年齢は、70歳代前後である、元気なうちは自分自身でやるというのだ。自分で起こした事業は自分の子供であり、なによりも大事にしたいのである。中小規模企業等の引退年齢は60歳代である。税制上も整備して事業承継の引継ぎ体制ができている。中小企業庁も努力している。現在、事業承継の成功例の講演会等が多く開催されている。

経営課題が多く多様化していることから、起業と経営革新等が増加する傾向でもある。結論としては、中小企業憲章作成当時は、起業・経営革新に注視されて事業承継の話題が少ない。主役である若者たち後継経営者向けに対するチャレンジ精神の記載が少ないことが中小企業憲章を、現在の小規模事業者と中小規模企業等に浸透していかない現在の理由ではないだろうか。

後継経営者は近い将来我が国を担うのである。これからの我が国を担う新たな企業経営者である。小規模企業等及び中小規模企業等の専門的技術は重要であり、その機動性は長年培ったノウハウであり強みである。約10年経つと、経済社会も変わるのである。

(参考文献)

・中小企業憲章 中小企業庁事業環境部企画課 2010年6月18日https://www.chusho.meti.go.jp/kensho/2010/100618Kakugi.htm

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