「型技術」に「納期確保に奔走する調達担当」を掲載

加藤文男

日刊工業新聞社出版の金型の総合技術誌「型技術」に「初心者のための資材購買」を連載しています。第7回は、納期確保で苦労する調達担当を取り上げました。

どの製造業においても資材購買の調達担当は納期を確保するために夜遅くまで取引先に督促の連絡を取り頑張っている。

出庫担当は、「先入れ先出しの原則」により倉庫にある手持ちの在庫品を出庫し、製造部門の要求に間に合わせる。在庫品を使い果たしそうになると製造部門から調達担当に督促が来る。更に遅れると生産管理部門から次に営業部門からも資材購買部門に督促と叱責の電話が鳴り響く。納期遅れは、製造部門、生産管理、更に営業部門から調達担当がすべて悪いかのようにも怒鳴られる。

納期遅れは、調達担当の甘い追及が原因のものもあるが設計部門の最終仕様の遅れや営業部門の販売見込み違いによる緊急発注など他部門に起因するものが多い。更に遡れば最初に取引先を選ぶ段階で製造能力や技術力のないところを選んでしまった開発購買に起因するものである。

最終仕様や仕様変更の図面の遅れなどは設計部門がわざわざ調達担当に知らせることはしない。既に決まってしまった取引先も今さら変更できない。営業部門の見込み違いも追加注文は逆に営業部門の成果として評価される。これらの隠れた原因はあるが契約担当は無理を承知で発注する。契約担当はある程度リードタイムに余裕を見て納期を設定し注文書を出すがこれらのすべての原因まで見込めない。これらの短い納期はすべて調達担当にしわ寄せになる。こうして長板津担当は、納期に間に合わせるために毎日のように夜遅くまで督促の電話をすることになる。これらの実態は製造業ではよく見られることである。

この種の納期遅延は、資材購買機能を契約担当、調達担当を分業しているところに多く発生する。問題の原因がなかなか発生部門にフィードバックされないため解決が遅れるからである。

生産量の少ない中小企業では、取引先を見つけて注文書を発行し調達まで一連の作業を一人で担当する。価格も納期もすべて自分で納得の上で決定できる。従って担当者が納得の上で取引先を決定し注文する。しかし、取引先を自由に決めることができる中小企業の調達担当には別の苦労がある。発注数量が少ないため、価格もなかなか厳しく、納期もこちらの要求通りにならないことである。どの会社の資材購買の調達担当者は、納期で苦労する宿命にあるようだ。

 

掲載誌 日刊工業新聞社刊「型技術」8月号

初心者のための資材購買 第7回 納期確保に奔走する調達担当

主な項目

  1. 夜遅くまで必死に連絡を取る調達担当
  2. 納期遅延の原因
  3. 相互の慣れが原因の納期遅延
  4. 価格と納期で悩む中小企業

「型技術」については、次をご参照ください。
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0005

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