吉田基一工団連会長インタビュー

(執筆:中小企業診断士 関根 清一

川崎市工業団体連合会の吉田会長に、工団連の目指すのものや直近の取組、中小企業の価値創造について伺いました。

1 まず川崎市工業団体連合会の簡単な紹介からお願いします。

  • 川崎市工業団体連合会(工団連)は、その前身である川崎市工場振興連合会が昭和23年(1948年)に設立され、ものづくり都市かわさきの発展と歩みをともにしてきました。現在会員数は川崎全域で7団体1,094社が参加しています。浅野町工業団地組合連絡協議会、大川町産業振興連絡協議会、協同組合高津工友会、一般社団法人川崎中原工場協会、川崎労務管理協会、一般社団法人川崎北工業会、下野毛工業協同組合となっています。

2 次に、工団連の目指すものはどのようなことでしょうか。

行政と共に産業界の発展を図っています

  • 工団連は行政及び各関係機関との密接なる連絡を保ち会員との円滑なる発展を促進し、企業間の交流を高め連携、橋渡しの機能を果たし、産業界の発展をさせていくということを目指しております。具体的には、行政及び各関係機関の行う企業支援、セミナーの開催などの情報提供を積極的に行っています。

3 直近の取組や話題にはどのようなものがありますか。

海外展開

  • 川崎市経済労働局国際経済担当部署が海外企業とのビジネスマッチングを積極的に行っています。また海外のセミナー及び展示会に出展をアシストしています。特に台湾企業とのビジネスマッチングに力を入れており、今年1月には台湾へ視察、交流を行ないました。今後、川崎市企業の輸出等の販売に結びつけて行きます。また契約締結を行っている企業やその他商談中もあり、成果が出てきています。

BCPへの取組

  • BCPを取組むために指導員を派遣して戴き積極的に構築中です。防災に対する対応策を具体的にどのように行っていくか、行政と会員間で情報交換を行ない横の展開を図っているところです。

JFE高炉の跡地について

  • 臨海部のJFE高炉の廃止に伴う跡地をどのように活用していくのか。川崎市とJFEの間で検討しています。
  • 工団連としては、工業団地を造って頂ければと考えています。それにより、臨海部において研究棟を中心とし、その周辺のものづくり工業団地とをセットにすることによって、研究開発されたものを基礎実験試作から量産試作へと開発が並行して進められ、スピード化を目指すことができます。
  • 工業団地造成によって住工混在の解消が図れます。

外国人技能実習生の取次

  • 2025~26年にはさらに人材不足が予想されています。この対策として、工団連では外国人技能実習生を希望する会員に、受入管理団体へ取次ぐ業務を新規に始めます。商店から工場までの広範囲の人材確保を目指しております。人材対象国はベトナム・ミャンマー等々の男女です。
  • 川崎市中小企業労務協会が外国人技能実習生の受入管理団体として認定登録されております。工団連は、各単会及び会員企業から要請がきましたら、事務局から労務協会に取次ぐ手配を行ないます。
  • なぜ工団連で行うことにしたかといいますと、外国人技能実習生が日本語や習慣が解らないトラブルが多く、それらを極力避けるためです。
  • 安心な技能実習生を得るため、日本語教育・習慣をしっかり教育して「送り出す機関」と「受入れ機関」が締結され、安全・安心な受入ルートが構築できたからです。

4 大きなテーマになるかもしれませんが、中小企業はどのような価値を生み出していけばいいのでしょうか。

ものづくりのメーカーになる

  • 一言で言うと先端技術を使用したものづくりのメーカーになることです。
  • 構想は、単独1社で新しいものを作ってもいいし、あるいはグループで一つの商品を作り上げる「自社ブランド商品」を開発し製造販売することです。
  • 例えば、ペットボトルのお茶にしてもそうですが、樹脂の金型~成型からラベルまでなど業者がそれぞれ違います。、何社かが協力しないとできないということがあります。メーカーになるためには、それぞれの得意とするところの業者が集まって、一つの商品を作り上げていくことになります。
  • 工団連の中堅の経営者が増えていますので、そういった方が中心に行って頂ければ良いと思います。
  • 川崎でも自社商品を製造販売しているところは安定した事業をしています。儲かる仕事、安定した仕事にしていくためには自分たちで商品を作り上げていくことが大事だと思っています。儲かれば黙っていても後継者がついて来ます。そういった仕組みにしていくことが大切かと思います。

5 川崎の好きなところをお聞かせください。

自治体の中で最も先端的なのが川崎市

  • 川崎市の好きなところは、自治体の中で、創造性、実効性を持っているところです。全国自治体の中で一番進んでいるのではないかと思います。ものづくり、人材の確保、新卒者の就職活動など中小企業の支援やいろいろな取り組みを全国の中で先駆けて行っています。他の自治体からの視察も多いようです。
  • 市がいろいろなことを積極的に行っているのが川崎で、そういったところが好きですね。

6 最後に川崎中小企業診断士会に期待するのはどのようなことでしょうか。

企業の相談者であること

  • 企業の支援、相談等を今後も継続して戴ければと考えています。

以上

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