補助金交付を得る決め手は事業計画の事前充実

中小企業診断士  川鍋 豪

公的補助金の獲得に成功するには諸々の要素があり、一般に時々耳にするのは、

①申請書の書き方にはコツ・テクニックがある。
②会社の財務状況や過去実績が良くないと採択されない。
③申請する事業内容が確実で立派でなければならない。
など、一部にやや誤解されている面も含まれているように感じます。
これらを含め、ものづくり補助金(試作開発と販路開拓)を例として、いくつかの支援事例から感じたことを参考に供し、そのうち特に「事前の計画作り」が成功の決め手となる実感をあえて強調したいと思います。
公的支援策の重点の一つとして補助金・助成金は、国、都道府県、市区自治体など各々が予算を持ち毎年多くの種類の公募が行なわれますが、ほぼ共通しているのは、公募・申請は特定時期の短期の締切りであり、公募開始発表後にやおらネタ探し、計画作りでは間に合わないのが通常です。次回の公募を見越して事前に構想や計画を準備するのが最大のポイントと言えます。そしてその具体的に準備した事業計画を、発表された公募要領に合わせてモディファイ・チューンナップするだけで締切に間に合わせるのがコツと言えます。
国(経産省等)の補助金の場合、例年は、2月ごろ来年度予算案の中で概略の予告、4月前後に予算可決、6月ごろ具体的な公募発表、募集期間は長くて2週間、その締切までに申請書提出すれば、8月ごろ採択内定、9月に実施計画提出、10月交付決定後に事業実施開始、事業終了は翌年2月まで(たった5ヶ月)の例がこれまで多いようです。最近は事業仕分け影響等でさらに遅れたり予算減額となるものも今後も予想されますが、条件や対象等がやや異なる類似の制度に変わったり補正予算が成立したりで類似の公募が追加されることも期待できます。常にウオッチする熱心さも大切です。
例年のような公募への応募、採択を狙うには、遅くも2月の予告を見て5月までの3ヶ月で事業計画を練り上げるのがお勧めです。急ごしらえの計画は、どうしてもその事業の新規性や技術・販路・経済効果などの説得力に欠け、化けの皮がスグはがれる申請書になりがちです。
もちろん、充実した事業計画の上に、申請書の書き方(表現)にも留意することも大切です。
その留意点は、国民の血税を交付する役所の立場で考えるとわかりやすいと思います。その申請内容が補助金の本来の趣旨に合致し、税金の有効使途として会計検査院に十分説明できることが役所の立場です。
そのため、計画内容の新規性・妥当性等や経済波及効果等を誠実に説明することが肝となります。申請企業の今後の業績や発展・回復に寄与するだけでなく、連携先や外注先も含め地域の発展や、業界・日本の技術力・国際競争力の強化にも貢献し得る成果を期待できる計画に練り上げる努力が重要です。そしてそれらを謙虚に過不足なく表現することが重要となり、同じ意味で、各経費の金額も実際の見積等の裏づけのある単価や、指定の標準月額に見合った人件費など、すべてを妥当な金額とすることが必要です。
また補助金に初挑戦して成功した事例にもあるように、経営者自らが考え、気づき、具体性や実現性ある事業計画を自ら練り上げることが最大の成功要因と感じます。経営者の頭の中におぼろげに技術開発や売り先について断片的なアイディアが見え隠れするとき、それらを文字や図に意識的に表現しその中の課題を整理し解決策を計画に練り上げていく、その過程が事業計画そのものです。それらいわば戦略・計画の策定プロセスについて、考え方、留意点、分析手法等を、中小企業診断士等の専門的な支援を得るのも、自らの考えをまとめ、計画立案を進めるのに役立ち有効と言えます。逆に一部に見かけるような申請書の作成代行を専門家に求めたりすることはその後の自社の発展に逆効果とさえ言えると思います。
あるいは、補助金によっては、ものづくり補助金のように補助対象経費に直接人件費、技術導入費、調査費、専門家謝金等も含まれるものもあり、その場合の留意点など助言を得ることも有効と感じます

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