第147回 かわさき起業家オーディション 参加レポート

2026-8-17

2026年7月17日(金)に、第147回かわさき起業家オーディションの最終選考会が川崎市産業振興会館ホールで開催されました。

かわさき起業家オーディションは、川崎市にて開催されるビジネスオーディションです。活動拠点や国籍などの制限がないオープンなオーディションで、様々なビジネスアイデアを持った多様な方々が参加されます。第147回の最終選考会では、一次書類審査および二次面接審査を通過した4名の起業家からのビジネスプランの発表がありました。4名の発表の概要は以下の通りです。

写真 1 発表者集合写真

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株式会社Shireru 代表取締役 山田 みかん様
【公式一次情報プラットフォーム「Shireru」による、信頼できる情報流通の実現】

株式会社Shireruは、自治体や企業が発信する「公式一次情報」を、記者や住民に届けるプラットフォーム「Shireru」を展開しています。元テレビ局記者の山田氏が、膨大な情報の中で重要な広報資料が埋もれてしまう現状を目の当たりにし、その課題を解決するために設立しました。Shireruでは、紙やデータで発信される一次情報を集約し、誰でも全国の情報を検索・閲覧できる仕組みを提供しています。

プレゼンテーションでは、AIの普及に伴い、情報の出所が明確な一次情報に直接アクセスする重要性が高まっているとの説明がありました。これまでの実証実験では、記者の取材にかかる交通費や勤務時間の削減に加え、自治体にこれまで接点のなかった記者から取材が入るといった効果も生まれているそうです。

今後は、特定地域の記者に情報を届け、開封や保存状況も可視化できる有料PRサービスを展開するほか、公式一次情報の流通を通じて世論形成や規制改革につなげる「日本版ロビング」の市場創出も視野に入れているとのことです。

 

株式会社Genics 代表取締役 栄田 源様
【口腔ケアロボット「g.eN(ジェン)」による、健康寿命の延伸と介護負担の軽減】

株式会社Genicsは、ロボット技術を活用した口腔ケア製品「g.eN(ジェン)」の開発・製造・販売を手掛けています。g.eNは、口にくわえるだけで最短1分の歯磨きを可能にする口腔ケアロボットです。早稲田大学のロボット研究室で培った技術を応用し、利用者がほとんど手を動かすことなく、ロボットが均質にブラッシングする方式を10年以上研究してきたとのことです。

歯の表裏を同時に磨く独自構造により、子どもや高齢者、手指を自由に動かすことが難しい方などにも利用しやすく、本人の口腔ケアだけでなく、家族や介助者の負担軽減も期待されます。同社はすでに介助を必要とする方向けや歯科クリニック経由での販売を開始し、現在は量産化と一般販売に向けた準備を進めているとのことです。

今後は、本体販売に加えて交換ブラシなどの消耗品による継続的な収益モデルを構築するとともに、実証や販売連携、歯科・法人福利厚生などへの販路拡大を目指しているとのことです。

 

Drive Electro Technology株式会社 代表取締役 中川博之様
【商用車の電動化と超急速充電システムによる、物流・交通の脱炭素化の推進】

Drive Electro Technology株式会社は、バスやトラックなどの商用車の電動化と、その運用を支える急速充電器の開発に取り組む企業です。同社は、充電インフラの障壁を取り除き、商用車の大規模な電動化を実現することを事業テーマに掲げています。

商用EVが抱える長時間充電や大型バッテリーによる積載スペースへの影響といった課題に対し、小容量バッテリーと超急速充電を組み合わせることで、都市部の限られた営業所でも運用しやすいシステムを提案しています。また、長寿命で安全性に優れたLTO電池を採用し、長期的なTCO(総保有コスト)を抑えることで、経済合理性のあるEV化を実現したいとの考えが示されました。さらに、車両の電動化に加え、充電設備や電池の活用まで含めた総合的な提案を行う点も特徴として紹介されました。

また、車載用途を終えた電池を蓄電システムとして再利用する循環型ビジネスも構想されています。今後はコンビニ配送車や路線バスなどへの導入を進め、商用車の脱炭素化を川崎から全国、さらに世界へ広げていくことを目指しているとのことです。

 

株式会社ボディスプラウト 代表取締役CEO 小林篤史様
【「骨盤を立てる」技術を実装した「整体シャツ」による、未病・予防環境の創出】

株式会社ボディスプラウトは、整骨院での臨床経験をもとに、日常生活の中で身体を整える機能性衣類を開発・販売しています。今回発表された「整体シャツ」は、累計60万枚を販売した「整体ショーツ・パンツ」に続く上半身向けの商品です。

開発の原点は、小林氏が臨床現場で感じてきた「治療に来ない9割の人をどう救うか」という課題意識にあります。不調を抱えながらも治療院に通わない人に対し、毎日着用する衣類を通じて身体が整いやすい環境をつくるという発想から商品を開発しており、同社では「姿勢を生活インフラとして社会実装する」ことで健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。

同社は、自社ECやECモール、整骨院・整体院などの販売基盤を持つほか、小林氏自身の著書やYouTube、SNS、メディア出演などを活用したマーケティングにも取り組んでいます。今後は「骨盤を立てる」というコンセプトを軸に商品展開と海外進出を進め、世界的なヘルスケアブランドを目指すとともに、川崎市宮前区を拠点に事業を成長させ、地域へ還元していきたいとのことです。

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川崎中小企業診断士会応援賞

本賞は、川崎市内および近隣における実現性が高く、社会に貢献するビジネスアイデアに対してお贈りするものです。第147回では、Drive Electro Technology株式会社様、株式会社ボディスプラウト様が受賞されました。受賞企業様は、副賞として当会中小企業診断士の支援を半年間に2回受けることが可能です。おめでとうございます。


写真 2 応援賞贈呈 Drive Electro Technology様


写真 3 応援賞贈呈 ボディスプラウト様

今回登壇した4社に共通していたのは、代表者自身の経験や専門性から生まれた課題意識を、具体的な事業へとつなげている点です。情報流通、口腔ケア、商用EV、ヘルスケアと分野は異なりますが、それぞれ独自の技術や仕組みを活かした挑戦が紹介されました。

かわさき起業家オーディションを通じて、こうした企業の新たな事業展開がさらに広がることを期待するとともに、私たち中小企業診断士も、経営の専門家としてその成長を支援していきたいと考えています。

かわさき起業家オーディション第148回の最終選考会は2026年11月13日(金)です。ご興味のある方は下記サイトをご覧ください。

 

▼かわさき起業家オーディション 公式HP
https://www.kawasaki-net.ne.jp/bizidea/

多数のご参加をお待ち申し上げております。

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