小規模事業者持続化補助金 第20回公募の第19回公募からの主な変更点
- 2026/8/12
- トピックス

中小企業診断士 齋藤 洋二
はじめに
11月5日より申請受付が開始される、小規模事業者持続化補助金(一般枠・通常枠)第20回公募ですが、第19回からの変更点が多数あり、中には大きな変更点もありますので、申請を検討される事業者様に向けて説明を致します。
■小規模事業者持続化補助金(一般枠・通常枠)第20回公募の概要
(詳細は、「小規模事業者持続化補助金<一般枠・通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)」をご確認ください)
1.補助対象者
日本国内に所在する小規模事業者等(指定要件を満たす者)
2.補助上限
50万円
3.補助率
2/3(賃金引上げ特例に申請する赤字事業者は3/4)
4.特例について
① インボイス特例
50万円上乗せ
② 賃金引上げ特例
150万円上乗せ
5.スケジュール
① 申請受付開始:2026年11月5日
② 申請受付締切:2026年12月15日
③ 採択結果通知:2027年3月~(予想)
④ 交付決定通知:2027年4月~(予想)
⑤ 補助事業実施期間:2028年3月31日まで
参考:上記のスケジュールを前提にすると、最も早く補助金が交付(入金)されるのは、2027年4月に補助事業を実施・終了させ、すぐに実績報告を提出したとしても2027年6月以降と予想されます。
表1. 第20回公募スケジュール表

6.第20回公募の主な変更点
第19回公募から第20回公募の変更点は多数ありますが、その中でも特に注意したい変更点について説明します。
①補助対象事業の要件の追加
第20回公募より、公募申請時に、「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」提出時の売上高・売上総利益が「補助事業終了時」と比較し、増加することが見込める事業であることを示す必要があります。
これを図で示すと以下の図1ようになります。

図1.第20回公募追加申請要件
申請時には、客観的なデータを用いた市場や顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みなどの根拠や説明とともに、取り組む補助事業における定量的な成果(売上高・売上総利益の増加)を「補助事業計画(様式2)」に記載する必要があります。
例えば、以下のような数式で、予想される「売上高」と「売上総利益」を見積もり、「補助事業計画(様式2)」に記載します。
●(販売数)✕(単価)、売上総利益率○○%
●(客数)✕(客単価)、売上総利益率○○%
●(契約数)✕(契約単価)、売上総利益率○○%
また、以下の表2のような会社全体ではなく「補助事業のみ」の数値計画表(3~5年計画)を、「補助事業計画(様式2)」の最後尾に記載します。
表2.補助事業計画に記載する数値計画例

②賃金引上げ特例の要件変更
第19回公募では、賃金引上げ特例の要件は、「補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が申請時の事業場内最低賃金より+50円以上であること。」でした。
これを表で示すと以下の表3のようになります。
公募申請時と実績報告時に従業員が在籍し、同一人物でなくても時給が50円以上上がっていれば要件クリアとなっていました。
表3.第19回公募の賃金引上げ特例の要件クリアのパターン

これに対し、第20回公募では、賃金引上げ特例の要件が大きく変更されました。
「補助事業実施期限日(2028年3月31日)を終点とした連続する12か月とその前年同月の12か月を比較し、従業員1人あたり給与支給総額を3.0%以上増加させること。」となっており、これを図で示すと以下の図2のようになります。

図2.第20回公募の賃金引上げ特例の要件
「①2026年4月1日~2027年3月31日」、及び「②2027年4月1日~2028年3月31日」の両方の期間に在籍した従業員(Aさん、Bさん、Cさん)を対象に、②の期間と①の期間を比べ、「1人当たりの給与支給総額」が年平均3%以上増加していることが要件となります。
従いまして、以下のようなケース(Dさん、Eさん)は、採択されていたとしても実績報告の際に要件を満たせず、補助金の交付が行われないことになってしまいます。
<ケース1>
従業員は1人だけで、「①2026年4月1日~2027年3月31日」の期間は在籍していたが、「②2027年4月1日~2028年3月31日」の期間も在籍すると思っていたところ、期間途中で退職してしまった。
<ケース2>
「①2026年4月1日~2027年3月31日」と「②2027年4月1日~2028年3月31日」のどちらの期間も従業員がいたが、両方の期間に在籍した従業員はいなかった。
③広報費、ウェブサイト関連費の申請上限額の変更、申請制限と対象の入替
第20回公募より以下の表4のとおり、広報費、ウェブサイト関連費の申請上限額の変更、申請制限と対象の入替えが行われました。
表4.広報費、ウェブサイト関連費の申請上限額の変更、申請制限と対象の入替

④相見積書の提出と発注先選定について
以下の表5の通り、第19回公募では、発注総額100万円超(税込)の場合に必要な相見積が、第20回公募では、発注総額50万円超(税込)に引き下げられました。
表5.相見積書の提出と発注先選定について

⑤新商品開発費の申請要件新設
第20回公募より、新商品開発費は、「テストマーケティングや市場調査を行った結果を踏まえたもの、または、それらをともなうものが補助対象」という要件が設けられました。
これに伴い、公募申請時の「補助事業計画(様式2)」、または、実績報告時の「実績報告書(様式8)」に、「実施したテストマーケティングまたは市場調査の内容及びその結果」を記載する必要があります。
⑥再度の申請が可能となる時期
第19回公募までの採択者は、「事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、『小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書』の提出を完了している場合に再度の申請が可能」でしたが、第20回公募の採択者は、「事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、『小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書』の提出を完了後、さらに1年が経過してから再度の申請が可能」と、1年間再申請可能な時期が延長されました。
これを図で示すと以下の図3のようになります。

図3.再度の申請が可能となる時期
7.まとめ
以上は、第20回公募の第19回からの変更点の一部ですが、今回の変更点は多数で且つ、多岐にわたるものとなっています。
詳細は、商工会地区小規模事業者持続化補助金HP内「申請について」ページの「公募要領新旧対照表」、及び「公募要領(第8版)」をご確認ください。
■商工会地区小規模事業者持続化補助金HP
https://official.jizokukanb.com/
なお、公募要領の版数と対象の公募回は以下のように対応していますので、ご注意ください。
●公募要領(第8版):第20回公募に対応
●公募要領(第7版):第20回公募に対応(暫定版と思われる)
●公募要領(第6版):第19回公募に対応
申請される場合は、必ず最新版の公募要領をご覧になり、申請に臨まれますようお願い致します。
また、川崎中小企業診断士会では、川崎市産業振興財団の「ワンストップ型経営相談窓口(毎週火・水・木曜日)」に小規模事業者持続化補助金の情報提供やご相談対応をしておりますので、是非、活用をご検討ください。
以上














