With/Afterコロナの新しい世界に向けて、中小企業の対応について考える

中小企業診断士 林原 敏夫

【新型コロナ感染症の現状】

新型コロナ感染症の非常事態宣言が解除(2020年5月25日)され、2か月経った7月24日の東京都の感染者数が366人と発表された。

感染者数その他の数字への評価はここでは差し控える。第2波という話もあるが、第2波という言葉も明確な定義の下で使われているようではないので、その話も割愛したい。少なくとも現時点で新型コロナ感染症が収まったと言える状況にあるとは言えない、ということには異論はないものと考える。

私は疫病対策の専門家でも医療の専門化でもないので、「感染予防対策として何をすべきか」については言及するほどの知識も見識もないが、製造業を中心に中小企業を支援している立場で企業の経営という観点で、どのように考えるかについては、一言述べておきたい。

【コロナ後の世界】

結論を先に述べると、コロナが収まったとしてもコロナ前に戻ることはないであろうし、現在のコロナ対策がさらに進んだ形で実現された形になると思われる。その形がどのようにものになるか、情報を収集し、どのように対応すべきか常日頃から考えておくべきであろう。

非常事態宣言下で採用が進んだテレワーク、非対面型ビジネスなどであるが、これからもますます浸透が進んでいくものと思われる。

例えばテレワーク。テレワークの概念は随分前からあったものの、非常事態宣言下で急速に浸透したこの勤務スタイルは、技術的な進歩という背景はあるものの、大きなメリットを生み出している。

企業側から見ると、事務所スペースの縮小による事務所費用の削減、従業員側から見ると通勤時間の削減(これに伴う、自由時間の増大)があげられる。企業側は新型コロナ感染症が収まったからといって事務所スペースを広げるであろうか?また従業員は喜んで通勤スタイルに戻りたがるであろうか?これらは、新型コロナ感染症が収まったとしても、元には戻れないし、戻らないと考えた方が妥当であろう。

またZoomに代表される遠距離の会議システムも非常事態宣言下で大きく浸透・普及した。人々が1か所に集まる必要がなく密な状態が発生せず、基本的に移動を伴わないこの会議システムは、会議に伴う概念が大きく変化し企業にとっても大きなメリットを生み出すことを知らしめた。通信インフラさえ確保できれば、全国、時差を考慮しなければ全世界どことでもいつでも使える会議システムを新型コロナ感染症が収まったとしても手放すことはないであろう。

なぜ、こういうことが起こるのか?一言で言ってしまうと、社会的な問題が発生すると解決するために技術・仕組みが大きく変わるのである。そしてその変化により世の中が便利になるからである。そして古いインフラは使われなくなり廃止されるのである。

パソコンがwindows98になりインターネットを使う時は、モデムを使って電話回線につないでいたが、今や無線LAN(Wifi)であり、モデムのころと比べると無線LANの方がはるかに早い。

つい最近までZoom会議という言葉を知らなかった人も多かったと思うが今は多くの人が知る状況となっている。Webウェブ会議(すでにTV会議という人も少ない)が流行ってくると、これを商機とカメラやマイク等の機材や緑色の布などの関連機材が売れ出し、さらに普及が進むことになる。

Web会議にしても以前はSkypeがメジャーであったが、Zoomの他、Teamsなどもあり、機能性能が向上し使い勝手もよくなっている。一旦機能性能が向上し使い勝手がよくなると元にはもどれない。

元には戻れないということは、前に進まざるをえないということである。

今やすべてに電子化が進み、各種申請にはPCやスマートフォンが必須の時代となっている。持続化給付金の申請が電子申請のみとなっているのは、ご存じの方も多いと思う。今やPC、スマートフォン、インターネットが使えないと、企業として存続できないのは実感できる時代となっている。

これから先も企業として生き残っていくためには、世の中の流れについていく必要があるということである。このことは決して皆と同じことをやっておけば生き残れるということを意味するものではない。皆と同じこともできないようであれば生き残っていけないという意味である。

では、この時代企業として生き延びていくためには、どうしていけばいいのか?

【コロナ後への対応を考える】

一言と言うと、世の中についていくことである。むしろ最先端を走る必要はない。

新しいことやものは普及に伴い高機能・低価格になり主力になれなかったものは淘汰される。かつてVTRが世の中に出たころはベータ方式であったが、VTRが普及するにつれVHS方式が主流となりベータ方式は店頭からは消えていき、現在はVHSもハードディスクやDVDに置き換わっていった。現在はDVDを使っていても、ブルーレイというものがあることを知っていれば、ブルーレイが主力になれば導入すればよい。必要にないのに慌ててブルーレイを導入する必要はない。

Withコロナ、Afterコロナについても最先端を走る必要はない。しかしWithコロナ、Afterコロナに関する世の中の動き、新しい働き方を考えておけば、変化が必要な時期が来たら対応は可能である。今しか考えていないと、いざという時に浦島太郎となれば、もはや生き残ることはできないと思っておいた方がいいだろう。

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