“自社の強み”を明らかにする方法

今喜多 秀幸

はじめに

私は、ものづくり補助金の申請支援などで多くの中小製造業 経営者の方とお話しをする機会がございます。

その際、経営者の方に、「貴社の強みは何ですか」とお聞きするのですが、「高精度加工」「短納期」「低コスト」「柔軟な対応力」といった曖昧な強みが上がってくるケースが多いことを実感しております。

最終製品の製造を行っている企業では、製品の特徴などを強みとして表現し易いのですが、部品加工業の場合は、顧客から提示された仕様に対して、如何に付加価値(QCD*1の向上)をつけるかを考えているため、この様な曖昧な強みが出てくる訳です。

しかし、この強みは、貴社のことを良く知っている既存取引先、口コミでは伝わりますが、取引実績のない新規顧客には、具体的な価値が伝わらず、響きません。

そこで、今回は、部品加工業の皆さまが、貴社のことを知らない新規顧客に対して、自社を具体的にアピールできる様にするために、その前提となる自社の強みを明らかにする方法ついて記載したいと思います。

3つの視点で強みのネタを抽出する

私は、数年前に中小製造業の方とブレイン・ストーミングなどで、強みのネタを掘り起こす作業を行なったことがありますが、ゼロベースで考えても散漫になり、強みのネタの掘り起こしが上手くいかなかった苦い経験がございます。

そこで皆さまには、まずは質より量を重視し、3つの視点で強みのネタを多数捻出する方法をお勧めいたします。

視点1:沿革から導きだす

自社の過去の取り組み(設備投資、新事業参入、新規顧客との取引開始、人材採用、認証取得、売上の変化など)には理由があったはずです。

まずは、自社の沿革を列挙し、その取り組みの背景/理由を整理した上で、自社の強みのネタはないかレビューします。

視点2:既存顧客の取引理由を分析する

既存のお客様が、貴社と継続取引しているのには、必ず理由があるはずです。

売上Top5のお客様に納めている加工部品の内容と、その部品の役割、機能/優位性を記載するとともに、そのお客様が貴社と取引している理由を、品質、コスト、納期、対応力の観点から、書き出します。

視点3:4Mの観点から洗い出す

機械加工の生産の4要素である、4M(Man:人、Machine:機械、Material:材料、Method:方法)の切り口で、自社の強みをリストアップします。

≪記載例≫

強みのネタを具体化・定義化する

先の3つの視点で、質より量を重視して強みのネタを上げた結果、多数の強みのネタがリストアップされたと思います。

まずは、その強みのネタを一覧票にまとめます。

そのリストを眺めてみると、リストアップされた強みの多くは、以下の例のように、初めは、第三者には何が強みなのかわからない抽象的な表現になっていることが多いと思います。

そこで、次に「具体化」「定義化」のステップに従い、外に出すメッセージとして具体的に第三者が理解できるレベルまで内容を精査します。

≪強みの具体化→定義化の例≫

この様にして、まずは強みのネタを出し、それを具体化→定義化することで貴社の強みが外に出すメッセージとして整理できます。

強みの次は、ターゲットを定める

しかしながら、これではまだ不十分です。何故ならば、ターゲット(伝える相手)によって、伝えるべきメッセージが異なるからです。

先にも触れましたが、多くの部品加工業様では、「高精度加工」「短納期」「低コスト」と言ったことをホームページで訴求しておりますが、それはターゲットが定まっていないからです。これでは、読み手に響きません。

例えば、中小製造業 経営者の皆さまが、売上改善コンサルタントを探すとして“売上改善コンサルタント”と“製造業専門 売上改善コンサルタント”の2つがあるとして、どちらに目が行くかを考えれば、ターゲットを絞る意味はお分かり頂けるのではないでしょうか。

よって、強みが整理できた後は、その強みが活かせるターゲット顧客を見つけ、そのターゲット顧客に響くメッセージに、強みを変換する作業が必要です。

ここで、ターゲット顧客を見つける方法を記載すべきですが、書面に限りがございますので、誠に申し訳ございませんが、今回はここまでに留めさせて頂きます。

最後に

今回お話ししました3つの視点で強みのネタを抽出する方法、強みのネタを具体化・定義化する方法をさらに詳しくお話しするとともに

  • ターゲット顧客を見つける方法
  • 強みをターゲット顧客に響くメッセージに変換する方法
  • 具体的な提案の方法

について、セミナーを予定しております。

顧客に響くメッセージが見つかれば、効率的な営業が可能になるため、特に、営業リソース、スキル不足でお悩みの中小製造業 経営者様にはお役に立つ内容であると存じます。

詳しくは、3月8日の18時30分より、「中小部品加工業の新規顧客開拓法」として、川崎産業振興財団主催にて、セミナーを開催いたしますので、是非、ご参加ください。

宜しくお願い致します。

––––––––––––––––

※1 QCD: Quality(品質)、Cost(価格)、Delivery(納期)

関連記事

Archives

  • 2019 (16)
  • 2018 (29)
  • 2017 (40)
  • 2016 (41)
  • 2015 (30)
  • 2014 (24)
  • 2013 (25)
  • 2012 (18)
  • 2011 (12)
  • 2010 (12)
  • 2009 (4)

Change Language

会員専用ページ

ページ上部へ戻る