設備投資促進策をめぐる減税と規制強化の行方

中小企業診断士 川口 紀裕

 政府が今秋まとめる成長戦略第2弾の柱となる企業向け減税がどのような方向になるのか注目されています。その中でも設備投資促進策をめぐって政府と与党内での駆け引きが本格化すると予測されています。企業経営者にとっても影響度の高い設備投資促進策をめぐる減税と規制強化の行方について今回はみていきましょう。

日本政府としてさらなる成長戦略を打ち出していくことが求められる中、企業の設備投資促進を促すための方策が検討されています。その一つとして、政府は今秋にも設備投資減税策を打ち出すとも言われていますが、その一方で減税策の導入だけで本当に企業の設備投資が活発に行われるかということも懸念されています。

また、報道によると安倍首相が9月下旬から10月上旬までには2014年4月から消費税を8%に増税するかの判断を下す予定とのことです。仮に消費税増税ということになれば、今年度中に駆け込み需要で設備投資が活発化することも考えられますが、その一方でそれ以上に来年4月の消費税増税以降は設備投資が極端に抑制されることが考えられます。

そのような状況も踏まえた上で、減税だけでなく設備に対する規制強化を行うことにより設備の更新需要を喚起することが自民党税調や政府の間で検討されています。現時点であがっているのは、省エネ性能や耐震性が低い設備を持つ企業に対する規制の強化です。

報道では、例としてエネルギー効率に一定の基準を設けて基準以下の設備に対して法律に基づき改善命令を出し、省エネ効率の高い設備への入れ替えをうながすことや、耐震性で基準を満たさない商業ビルに対して課税強化を進めるといった案がでています。

企業経営者にとってはこの点は非常に気になるところです。つまり、既に設備投資を検討されている企業においては、消費税増税前の今年度中に設備投資を実行するか、もしくは来年度に行われる減税策を利用するために来年度に設備投資を実行するかという実行時期の見極めが必要になります。また、今すぐ設備投資を検討していない企業の場合であっても、来年度から行われるかもしれない設備の規制強化が明らかになった場合には、自社の現有資産が規制の基準を満たすか否かを早めに検討しておくことも必要になるでしょう。

いずれにせよ今後の自民党税調、財務省、国交省、経産省と行った与党税制調査会と政府の間での議論の結果を注視しておくことが必要であると同時に、自社の資金繰りの状況や設備の状況などを加味しながら設備投資について検討することが大切になりそうです。

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